ダイレクトコンバージョンの受信機と、水晶による単一周波数の送信機、それも0.5WというQRPpです。実用的なリグというわけにはいきません。しかし、昔を思い出させてくれる雰囲気があります。たった1個の水晶で何日も粘って交信したことが懐かしく思い出されます。ハムの原点とも言うべきこのようなシンプルリグで交信を楽しむのも一興なのではないでしょうか。
キットの販売元
|
第五ステージが終わり、BreadBoardの上に乗せました。
このステージでは基板上に簡易キーを取り付けます。タクトスイッチを押せるように小さなプラスチックの板を乗せるだけですが、とりあえずの電鍵にはなるようです。
この後、50Ωのダミーロードをつけたパワーメータを接続しサイドトーンが機能すること、および出力が450mWから500mW出ることを確かめます。、
第四ステージが終わりました。
キットには7030KHzの水晶発振子がついていますが、この周波数では国内では不都合です。そこで水晶を取り付ける部分にはソケットを付けておき、交換できるようにしました。
2つの水晶を取り付け、スイッチで切り替える回路が組まれていますので、ソケットを2つ取り付けてあります。
この段階でダイレクトコンバージョンの周波数調整を行います。スポット発振スイッチ(SW5)を押しながらL1のコアを調整し、発振している周波数を受信できるようにします。
第三ステージが終わりました。
受信機がほぼ組み上がりました。
一つ一つの部品が所定の場所に組まれているか、極性のある部品は間違いない向きに取り付けられているかなど、コーヒーブレイクを取りながら確かめます。
こうしてスモールステップ毎に確認していく方法は、誤りを少なくするよいやり方だと思います。
IC1(SA612)は念のため手持ちのソケットを使うことにしました。
ネットから申し込むと1週間ほどで届きました。送料込みで$54.95でした。円高の現状ではたいへん安価で手に入ります。
製作マニュアルと共にW4FSV Billからのプレゼントが入っていました。TXが水晶発振子による周波数固定ですので交換用の水晶でした。しかし、日本のバンドプランとは異なる周波数ですので残念ながら使えないようです。
部品はマニュアルに従って5つの袋に分けられています。BreadBoardは整形された白木の板でした。
BreadBoard Radio(USA) から提供されているキットです。
その昔、受信機と送信機は別々のものでした、一つ一つ部品を集めて受信機を作り、お空の交信を聞きながら夢をふくらませ、アンテナの工作を工夫したり交信技術を学んだりしていきました。そして、免許を取りやっと送信機を作ってお空にデビューしたものです。
いつのころからか、送受信の共通回路を共用しトランシーブ操作ができるトランシーバーが主流になってきました。それまでの交信では受信機と送信機の周波数を合わせるキャリブレートという操作が必要だったのですが、トランシーバーになってからはこの操作をしなくても電波が出せるようになりました。
現在、SplinterはVer2のSplinterUになっています。
若干、仕様が異なっているようです。2016.11
マニュアルには製作に数日かかると書かれています。確かにここまで来るのには3日ほどかかりました。ただし組み立てに3日もかかると言うことではなく、BreadBoardの塗装に時間がかかるのです。
整形された木の板に紙ヤスリをかけ、表面をなめらかにします。そして自分の好みの色を塗るのですが、その塗装が乾くまでに結構時間がかかります。また、一回塗るだけではなく複数回塗ることでなめらかな仕上がりになるので、日数が必要です。
同梱されているdecalは優れもので、表示を適当な大きさに切り、水の中に入れておくと、裏紙が自然と剥がれ表示の入った透明なシートになります。そのシートをBreadBoardの所定のところに置くとレタリングができてしまいます。タオルなどで十分に水分を吸い取って十分に乾かした後、上から透明なニスを塗っておくと完成です。
基板の組み立てはコーヒーブレークを入れながら5時間ほどでできました。
第二ステージを終えた基板です。
受信機のAF増幅段ができたことを確認します。指で触れるとハムノイズが聞こえ、VRで調整できることを確かめます。
このステージでの難関は送受信切り替えのスイッチの取付です。10本のピンを穴に入れるのですが、基板の穴と部品のピンの位置が微妙にずれているので、慎重な作業が必要です。
AF OUTのジャックは端子をペンチで細くつぶすようにして穴に差し込みます。
第一ステージを終わった基板です。
組み立て終えたら、テストをします。この状態ではサイドトーンが発振していることが確認できればOKです。
キットに同梱されているマニュアルに従って組み立て始めました。
部品は5つのバッグに分封されており、その5つのステージ毎に確認をしながら組み立てていく仕組みになっています。
第1ステージは電源関係とサイドトーンの回路です。
部品がたいへんに小さいので虫眼鏡は必需品です。一つ一つ容量などを確認しながら作業するのですが、写真のように部品を紙に貼り付け、抵抗値や容量などを記入しておくと作業が能率的に進みます。
マニュアルにはパーツリストのようなものはなく、平文で作業の手順が書かれています。工作に慣れた方ならリストを見るだけで作業を進めるところだと思いますが、このキットでは逐次マニュアルを読みながら進めることになります。
BreadBoardの塗装から始めます。念のため紙ヤスリで表面をなめらかにした後、噴霧塗料をかけました。
この板の上に載せて運用することになりますので、ケースと同じように見栄えよく化粧する必要があります。自作機器は機能のみが注目されがちですが、日々目にするものとしては見た目も大事だと思います。
このBreadBoard Radioから出されているキットは、その昔の雰囲気を今によみがえらせるリグです。
日本で言えば蒲鉾板なのでしょうか、パンの板の上に組み立てる送受信機です。一枚の基板に乗っていますが、受信機と送信機が別個のものとして構成され、スイッチの切り替えでそれぞれを動作させるようになっています。
当然、Picなどのデジタル技術は使われていません。たいへんにシンプルな回路でアマチュア無線の原点が体験できるようなキットです。
Special thanks to Bill W4FSV